会社を辞めて妻と過ごす時間を増やしてみた

30歳、純日本的な一部上場企業を退職。一度人生をゆっくり考え直すために妻との長い夏休みをとってこれからの生き方について考えてみる。夫婦で行く旅の記録や、二人で過ごす時間を作るための働き方について日々感じたことを綴る記録です。

無職生活 信用の大切さ

無職になって、妻と二人。

 

良かったことは、言わずもがな時間ができたこと。

男というのは(私だけかもしれませんが)結構メンタルの弱い生き物で、変化を嫌います。

 

そんなことを言い訳にしつつ、仕事をしながらではなかなか取っ付くことができなかったことにチャレンジしてみたり、平日にレジャー施設に出かけてそのガラガラっぷりを満喫したり無職最高じゃん!と話していました。

 

相模湖の「マッスルモンスター」オープン時から気になっていたのに働いている時はネットで調べて出てくるその激混みっぷりに尻込みして結局行けなかったのだけれど、平日に行ってみたらガラガラで待ち時間ゼロ。

 

休日は開演と同時に並んで整理券をゲットし、11時半くらいには最終入場の時間の回に完売。アスレチック内は時間制限ありなどの情報が並んでいたのが、ちょっと寝坊して10時過ぎに現地入りしたところガラガラ。

 

妻も私も人混みが苦手なので、快適にアスレチックを楽しむことができた。

 

そのほか、旅行も安い時に行けるのがいいですね。

HISなんかの広告で「ハワイ5日間49,800から!」みたいなのを頻繁に見かけますが、中身をよくよく見てみると金曜日出発は倍くらいの値段(通常時と変わらない)だったりして、土日休みの社会人にとっては全くの期待ハズレであることが殆どなのですが、日付を選ばないので本当にその値段で行けたりするのが強み。

 

ベトナムに3泊4日でふらっと行ってきたりしてました。

(他のツアー参加者は定年を迎えたであろう働いていないシニアの方々ばっかりだった)

 

 

 

しかし、困ったのが「信用」が地に堕ちた事。

会社員でいる間は全く気にもしなかったのですが、今住んでいる家はもともと社宅扱い。会社が借主となって、社員寮として私に住まわせているという形式をとっていたので、住むところをどうするか?という問題がありました。

 

家賃は少々高いのだけれど、引っ越しにもお金がかかるし、家具も新調しなければならないものが出てきます。

(男はそんな事気がつかないのですが、妻はカーテン買い替えの必要性を主張。カーテンを一揃い揃えると結構な金額になる)

しかも、今住んでいるところを妻がえらく気に入っているので、私の名義で借り直して住み続ける事に決定したのですが、不動産屋さんにて

 

「次のお勤め先っていつからですか?」

「一応来年の1月から働き始めようかなって思ってるんですけど」

「えっ」

 

私は一応内々定みたいなものをとある企業から貰っているので、働くアテがないわけではありません。

しかし、正式に内定通知をもらっている訳でもなければ、本当にそこで働くかどうかも100%決めている訳ではないのです。

全ては時間を作るための退職なので・・・

 

ということを伝えると

「いや・・・ちょっと信用がないので審査が降りないかもしれません」

「えっ」

 

いやいやいや一応私30歳で結婚してますよ?そんなに多くないけど貯金もあるよ?退職金も出たよ?クレジットカードの支払い滞らせたことも一度もないよ?

 

「それだと新しいところを紹介することもできないですし・・・」

「えっ」

 

そういやこの間読んだホリエモンの本にも書いてあった。

これからの社会は「信用社会」であると。

「信用」をいかにして作るか?そのために仕事があるのであって、賃金は別の形で得ればいいと。

その本はベーシックインカム導入して好きなことやるべき!みたいな社会が来ること前提なので文脈がやや違うのだけれど、この「信用」というやつ、結構大事な問題である。

 

結局、この不動産契約時はまだ有給消化中でギリギリ勤め先の「社員」ではあったので、直ぐに退職する予定なのにも関わらずそこの情報を書類に記入して帰った。

(不動産会社の人にそう言われたから書いたのであって、こちらから持ちかけたのではない)

すると不思議なもので、一瞬で書類審査は通り、なんとか「会社員」のうちに賃貸契約を交わすことができたので事なきを得た。

 

 

しかし、思えばこの信用調査というのもいい加減なものである。

わざわざ調査するくせに、有休消化中、退職届もとっくに受理されているような状態の人間をすんなり通過させるのも我ながらどうかと思うし、一度契約書を交わした後であれば、退職して無職になろうがなんだろうが追い出されることもない。

さらに、8年間会社勤めした無職の人間よりも、収入どころか支出しかないはずの学生は信用があるので賃貸契約は特に問題なく進むらしい。

 

という訳で、賃貸契約書に書いた勤務先の情報は殆ど詐欺まがいなのだけれど、何とか住む場所は確保できた。

しかし、この日は「信用」について深く考えさせられる日であった。

 

むかし「桃太郎伝説」というゲームソフトがあって、主人公の桃太郎を操作して町の人に親切な事をするなどの善行を積むと「人気度」というパラメータが上昇し、人気度が高いと買い物をする時に値段をまけてくれたりするシステムがあったのだけれど、現実ではそうはいかない。

 

中国にはこのゲームソフトのように、国民個人の社会的信用度を表す数値があって、犯罪などの悪い事をするを数値が下げられてしまったりするらしい。

 

日本では国としてそんなシステムはないはずだけれど、実はクレジット会社が信用ポイントみたいなものを個人に付けていたりするんだろうか?うーん。

 

それにしても、この日本における「信用」は「勤務先の知名度」にかなり依存している感じがする。

私の元勤務先でよく先輩方に聞いた話だが、我が社はそんなに給料が高い方じゃないけど、なぜか家を建てるとか車買うとなると銀行がポンとお金貸しますよ、と言ってくるそうである。

確かに、クレジットカードの新規発行とかで待たされた経験は一切ない。

ペーペーの新入社員時代なんて、年収200万円くらいだったのに。

 

それに対して、私の父は自営業でよくローンの審査に苦労していたと言っていた。

多分、そこらの会社員よりも稼いでいた筈なのにである。

父曰く、会社勤めじゃない事を理由に貸し渋られたり、頭金を多く求められたり、年利が会社員よりも高かったりということが度々あったそうである。

 

 

 

こんな事があると、退職した事に不安が大きくなる。

社会はやっぱり公務員や会社員に優しくて、一人で何かやろうという人には冷たい。

 

私はまだ突入したばかりだが、ブログで収入を得て暮らしているようなノマドワーカーの皆さんもやはり大変な苦労をされているのだろうと想像する。

みなさん「フリーランスになっても何とかやっていけますよ」と仰ってはくれるが、その裏にこうした負の一面も抱えてはおられるのだろうな、と思う。

 

これからどうやって信用積み上げていこうかな・・・